説話・伝承学会賞および奨励賞

2023年度

第二回 説話・伝承学会賞の決定について

 説話・伝承学会賞および奨励賞は、説話・伝承学会の一九八一年四月の創立から四〇周年を記念し、会則に定める第二条および第三条に基づき、会員の研究活動への顕彰・奨励を目的として、二〇二一年度より創設されました。
 第二回は、二〇二二年一月から一二月までの一年間に発表された本学会会員の単著による書籍や論文を対象とし、著者本人の応募による候補の中から、説話・伝承学会賞選考委員会の審査をもとに、説話・伝承学会委員会において以下の通り決定いたしました。なお、授賞式は、四月二三日(土)本学会二〇二三年度春季大会の席上にて行いました。
   二〇二三年四月
            説話・伝承学会代表委員 伊藤龍平

第二回 説話・伝承学会賞  応募無し

第二回 説話・伝承学会奨励賞

  伊 丹 「知玄の人面瘡説話―仏書から医学書、浅井了意へー」『日本文学』第七一巻第八号、二〇二二年八月

評:本論文は、人面瘡説話が医書の単線的な流れの上に伝承されるのではなく、また、仏書の系譜上のみに伝承されるのでもなく、互いに影響を与えあって、内容が変化していったことを明らかにしており、医書と仏書と文学のテクストの交錯する様相を、緻密な資料収集と分析を通じて、着実に示した点、評価される。本論文の中で示された医書と仏書と近世文学のダイナミックな伝承の動的関係性は、今後、医事説話を扱ううえで一つの指標となりうるものと考えられ、今後の研究の在り方を大きく変えるインパクトのある論文として、受賞にふさわしいとの意見で一致した。
            

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2022年度

第一回 説話・伝承学会賞の決定について
 説話・伝承学会賞および奨励賞は、説話・伝承学会の一九八一年四月の創立から四〇周年を記念し、会則に定める第二条および第三条に基づき、会員の研究活動への顕彰・奨励を目的として、二〇二一年度より創設されました。
 第一回は、二〇二一年一月から一二月までの一年間に発表された本学会会員の単著による書籍や論文を対象とし、著者本人の応募による候補の中から、説話・伝承学会賞選考委員会の審査をもとに、説話・伝承学会委員会において以下の通り決定いたしました。なお、授賞式は、四月二三日(土)午後三時三〇分より、本学会二〇二二年度春季大会の席上にて行いました。
   二〇二二年四月
            説話・伝承学会代表委員 鵜野祐介


第一回 説話・伝承学会賞
◇中前正志『寺院内外伝承差の原理―縁起通史の試みから―』法蔵館二〇二一年三月二四日
【贈賞の理由】本書は、膨大な文献・非文献資料の検索に基づき、精緻な研究手法を用いながら、縁起通史の構築を試みたものである。縁起全体を貫く「内外伝承差」および「原理」を求めて、大胆かつ創造的な仮説を構築してその検証をおこなっている。学術的価値の極めて高い著作として評価され、贈賞に相応しいとの意見で一致した。
【受賞者の紹介】京都女子大学文学部教授。専門領域は宗教説話。


第一回 説話・伝承学会奨励賞
◇間枝遼太郎「諏訪明神縁起における聖徳太子伝の受容と展開―『諏方大明神講式』を中心に―」『國學院雑誌』第一二二巻第五号、二〇二一年五月一五日
【贈賞の理由】本論文は、分析に用いたテキストの選択において疑義が残るものの、諏訪信仰に「聖徳太子伝」が与えた影響に注目するという着想の卓抜さとスケールの大きさ、今後の研究への発展性への期待といった点に鑑みて、奨励賞に相応しいと判断した。
【受賞者の紹介】北海道大学大学院博士後期課程。専門領域は日本古典文学(伝承文学、神話)


◇児島啓祐「『平家物語』の陰陽師像とその史的背景―安倍泰親と時晴の対比表現をめぐって―」『日本文学』第七〇巻第八号、二〇二一年八月一〇日
【贈賞の理由】本論文は、今回示された範囲での研究のスケールは必ずしも大きくないものの、非常に精緻で手堅い手法を用いて議論を展開しており、今後の研究への発展性が期待され、奨励賞に相応しいと判断した。
【受賞者の紹介】総合研究大学院大学文化科学研究科博士後期課程。専門領域は中世文学。

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  ☆第1回学会賞選考結果

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「説話・伝承学会賞」および「説話・伝承学会奨励賞」についての規定

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〇説話・伝承学会賞エントリー用紙  WORD形式 PDF形式

〇説話・伝承学会奨励賞エントリー用紙 WORD形式   PDF形式

〇説話・伝承学会賞/説話・伝承学会奨励賞交通費申請書(運用上の細則/四(四)該当者)

WORD形式   PDF形式

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